日本の仏教って色んな宗派があるのはなぜ?
元々、顕教と言われるものを輸入したのが聖徳太子
いわゆる、飛鳥時代・仏教的思想を取り入れ、当時の日本の政治に活用し奈良仏教として、
広められます。
三大豪族・物部氏・蘇我氏・大伴氏の勢力争いで、時の天皇の側近たちの勢力争いに
まず大伴氏は、脱落
宗教戦争:
神道重視の物部氏と仏教重視の蘇我氏での争いで、聖徳太子率いる蘇我氏の勝利で
仏教が広まるのです。
そして、聖徳太子の十七条憲法の【和をもって貴しと為す】
神道やら儒教やら仏教やら色んな宗教で、争い事の結果、蘇我氏の勝利で
仏教を中心に憲法を制定したのが十七条憲法の制定となります。
ここで、仏教の宝 三宝である仏・法・僧(ブッポウソウ)を敬いなさいと憲法に記されています。
ここから、奈良仏教の開花となっていきます。
元々、仏教は学問で輸入されています。
だから、結構、お寺には聖徳太子の偶像をまつる寺院も多いと思います。
仏教って学問?
奈良仏教には6つの宗派があった
- 三論宗
- 成実宗
- 法相宗
- 倶舎宗
- 華厳宗
- 律宗
これが当時の奈良仏教・南都六宗(ナントリクシュウ)と分類されています。
それぞれに開祖がいます。
その宗派を立ち上げた人が開祖。
この時代には遣唐使で中国から色んな思想や貿易が盛んになる。
そして、中国から遥々、来日し当時の最新の仏教を
伝えに来て、日本に帰化し、唐招提寺を建立した
鑑真もそうです。
唐招提寺:
律宗の開祖が鑑真ということです。
鑑真の目的は、奈良には私度僧といって、自称僧侶が多かったので
僧侶としての戒律を日本に伝承するために自ら、帰化したのが鑑真です。
奈良仏教も衰退を極め、秩序のない僧侶も増え
公家社会の言いなりで賄賂の世界でいろんな意味で
衰退していき、疫病や災いが沢山起こり
道鏡事件:
道鏡事件などもあり、奈良仏教が衰退していくのです。
女帝をそそのかし、僧侶が天皇になろうとした事件と言われています。
時の天皇(桓武天皇)が憂いを感じ、
奈良の都から遷都し、最終的に行きつくのが京都となります。
京都へ遷都:
京都へ遷都になり、今で言う、都の再開発が始まった
時期に、空海が遣唐使から戻ってきて、最新の仏教を
持ち帰ってくるのです。
その最新仏教・最新文化などを目玉にして都の再開発が始まり
その一大事業を時の天皇である嵯峨天皇から指名され、
東寺を建て平安仏教を開花させます。
平安仏教の開花:
天台宗の最澄と真言宗の空海とで平安仏教界が拡がっていくのです。
台密(天台宗)・東密(東寺・真言宗)と言うように
二大密教として平安仏教が開花していきます。
空海の仏教世界観に興味を一番持ったのが
その時の天皇、嵯峨天皇です。
僧侶としての宗教よりも、美術観点や
色んな意味でのすべてに通じ、解決できる能力を
持った僧侶が空海。
嵯峨天皇が最新の仏教を持って帰ってきた僧侶に
興味を抱いたのが空海だったのです。
仏教の宗派ってなぜ?たくさんあるのか?:
元々は仏教はインドの釈迦から始まり、ダイナミズムに思想が
合い重なり、日本で平安仏教と言われる
空海が開祖の真言密教(真言宗)そして、最澄の天台宗から
沢山の宗派が分裂していきます。
鎌倉仏教:
鎌倉仏教である、禅宗(曹洞宗や臨済宗)などが鎌倉時代に
輸入され
天台宗から分派:
天台宗からは、
- 天台宗寺門宗(山門派と寺門派に分かれる)
- 臨濟宗・曹洞宗
- 融通念仏宗
- 浄土教
- 浄土宗
- 浄土真宗
- 日蓮宗
と分派していきます。
真言宗の分派:
真言宗も時代とともに真言宗という名は残りますが・・・
野沢十二流といって、平安中期に広沢流・小野流というように
真言宗も分派していきます。
そして、明治維新の廃仏毀釈から、残った真言宗が
真言宗十八本山です。
この中でも、古義真言宗(古い)・新義真言宗(新しい考え)・真言律宗に分かれ
それぞれの総元の寺院が十八本山という意味で、真言宗十八本山と言われています。
ここで豆知識:
真言宗や天台宗では誰でもお参り下さいと言
われます。
宗派を超えて、誰でも供養しに来て下さいと
言われます。
なぜなのか?
それは、平安仏教が関係していて、奈良仏教
~平安仏教に大きく変わり
真言宗と天台宗が元で、鎌倉時代に派生した
新興仏教が増えました。
この元の教義などは平安仏教が元になってい
るので受け入れることができるということな
のです。
まさに仏教は 和をもって貴しと為す
ということです。
なぜ?分派するの?:
それぞれ、密教というのは、秘密的に師匠から弟子へと継承されます。
ただ、一子相伝ではなく、沢山の弟子に灌頂して、教義と儀式を相伝していくので
灌頂を受けた弟子はまた、その弟子に灌頂して、相伝していくので
それぞれの師匠の教義と儀式を守り、増えたということです。
守・破・離とは?
【守・破・離】という言葉がるように
師からの相伝し、繰り返し繰り返し、師から相伝したものを
守り、そして、師を超える思想になった時、初めて、
独自の思想をもって、離れていくように
いつの時代も、時代の流れで変化してるということです。
広沢流や小野流も時の天皇の子供・親王などが出家して
僧侶になるので、それも、分派していく原因なのでしょう・・・・
ただ、開祖・空海の教義と儀式と思想は連綿と引き継がれています。
空海の最重要は、教義と実践
経典だけを読み理解することではなく、
実践もしていくことが最重要素なのです。
三密加持:
それが、身・口・意
身密・口密・意密で三蜜が
仏の身と言葉と心の思いで仏と一体化していく方法が
三密加持と言われています。
修行者が身をもって手に印契(ムドラー)を結び
口にしてマントラ(真言)を唱え
意をもって仏を感じ境地に至る。
即身成仏となり、
生きながらにして仏になることの
教義が真言密教と言われています。
まとめ:
空海の仏教世界観は、仏の世界観
宇宙と一体になるという思想。
小宇宙である自分と拡がる宇宙である大宇宙
そのミクロ観とマクロ観が一体となることが
空海の思想の仏との融合である大宇宙観。
それをもって、
全ての人々を救う、物理的にも心理的にも・・・
その教義・実践と儀式によって伝授することを体系化し、新しい仏教世界観を
伝承しているのが真言密教です。
宇宙の真理は仏の心理という意味ではないでしょうか・・・
そして、不思議なのが、千二百年も前の人が、
地球上にある物質は、五つのエレメント(要素)
地・水・火・風・空(ア・バ・ラ・カ・キャ)五輪塔を表す
地にあるもの水と火と風と空間・時間とで
森羅万象・宇宙に存在する一切のもの、あらわしている現象。
この五つの物から地球上の物は現象として具現化しているということを
知っているということです。
無機物も有機物もすべて、事相・現象として
具現化されているということ。
この空海の目指す仏教世界観が真言密教と言うことです。
空海の思想は、地・水・火・風・空・識(意識)
五大ではなく六大ということを伝えているのです。
これが、空海の思う宇宙観・世界観ということです。
仏の智慧をもって、人々を救うという道が
彼が伝えたかった真言密教ということではないでしょうか?