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空海の人生で一番に嘆き悲しんだ出来事が弟子・智泉との死別の逸話

智泉大徳廟 仏教・密教(Buddhism)

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智泉との死別で詠んだ【亡き弟子智泉が為の達嚫(たっしん)の文】というものがある。

智泉大徳廟

 

哀しい哉(かな) 哀しい哉(かな)

哀れが中の哀れなり

悲しい哉 悲しい哉

悲しみが中の悲しみなり

 

夢夜の別れ、不覚の涙に忍びず

 

哀しい哉 哀しい哉 復(また)哀しい哉

悲しい哉 悲しい哉 重ねて悲しい哉

 

この文を読むと本当に心が締め付けられ
空海のその時の情景が伺える。

 

智泉の墓標

 

ホントに心を揺さぶられ慟哭することさえ
覚えます。

 

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なぜ?そこまで嘆き悲しんだか?それが、一番知りたいところ・・・

 

実は空海には十大弟子という弟子がいます。

真済、真雅、実恵、
道雄、円明、真如、
杲隣、泰範、智泉、
忠延

空海が朝廷の指示で建立した東寺

そして、自ら土地を選んで建立した
高野山の道場

 

空海が若い時から修行し
大安寺の勤操大徳から

色んな仏教・密教・外国語の知識を吸収していた。

 

歴史的に見てこの大安寺の近くに
母方の叔父である阿刀大足が住んでいる
佐伯院があった。

 

空海の叔父は桓武天皇の皇子・伊予親王に学問を
教えていた。

 

また、良き空海の指導者

 

その経歴からも、空海にとって
重大な縁を感じさせる。

 

いつ、遣唐使船が出されるかという情報も
取れたであろう・・・

 

また、叔父の情報は朝廷に近く、

大安寺にはたくさんの外国の留学僧が来て
語学の知識も得たであろう場所

 

大安寺の勤操大徳は帰化人であり

全国に散らばっている
帰化人・山師をも知っている
人物と言われている。

 

銀山・金山を見つける山師を
パトロンとして空海は私財で

遣唐使に乗り込んでいる。

 

空白の7年間も関係していると
思われます。

 

空海・23歳の時に智泉・9歳で預かる。

この修業中、空海23歳の時に
姉のご子息・甥である9歳の
智泉を従者として大安寺の勤操に預けられ
同じように学問を習い、

空海の日常の世話役として
お付き人として修行している。

 

そして、7年後の16歳にして授戒し
僧侶となる。

空海の正式に一番弟子としての始まり

それだけ、小さい頃から空海の側近中の
側近であり、空海の一番弟子。

空海が自費で用意した遣唐使船にも
従者として同乗し同行している。

 

苦難の遣唐使で嵐に揉まれながら
漂流した福建省赤岸鎮村

そして、密教の中心地・西安までの距離2400km

智泉は空海の従者として責務を全うしている。

 

従者としての役割は
同行することで、全ての記録を取り

空海の一文一句を全て記録したことが
伺える。

 

その後、性霊集という空海の詠んだ
詩・碑文・願文を編纂したのは真済といわれているが

元は、智泉が担当していたとも言われている。

 

空海とともに遣唐使から戻り
まずは、五島列島・福江島を寄港して
足留めされた福岡の大宰府・観音寺に入る

 

数年、この地で滞在し、朝廷から呼び戻されるのを
待っている。

 

そして、京都・高雄山・神護寺に庵を結び
侍従である智泉とともに暮らしている。

 

この神護寺から、東寺の京都遷都の再開発が
始まり、東寺を建立していく。

 

もちろん、その後の高野山も切り開き
その先駆者として、一番弟子の智泉が空海の代わりに
翻弄している。

そんな子供の時から甥っ子を預かり
苦労をともにしてきた智泉が37歳の若さで、逝去する。

 

そのときの空海の慟哭の悲しみを詠った文が

亡き弟子・智泉が為の達嚫の文なのです。

 

空海と同じくし賢者であり、侍従として育ち
僧侶としても、空海の思想を受け継ぐ素質をもあったのでしょう。

我が子を亡くした親の気持ちと同じくして
あったのだと想像できます。

その智泉はどこに眠っているのか?

 

 

 

智泉墓標-2
智泉概要
ご存じの方はご存知ですが

実は、高野山・根本大塔の近くに
ひっそりと眠っています。

 

裏の道路側からお参りすることができます。

 

現在は、昔よりは、きれいに整備されて
お参りしやすくなっています。

 

空海も、それだけ僧侶として円熟期を
迎えながらも、若き愛弟子の死別は

それほど、悲しかったのでしょう・・・

 

死生観も卓越している空海でさえも人間ということです。

 

空海の人間らしい一面をみることが
できた、出来事です。

 

もし、貴方が高野山に行くことがありましたら
智泉の眠る、墓をお参り下さい。

 

合掌

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